夢の続きを「シュルレアリスムとは何か」
シュルレアリスムとは日本では超現実主義と訳される1924年のアンドレ・ブルトンのシュルレアリスム宣言に始まる芸術運動である。
その中でわたしたちがまっ先に思いつく作家といえばサルバドール・ダリだろう。時計がチーズみたいに溶けてる絵を書く、非現実的なひげを付けた人。
ダリの絵みたいな非現実、つまり現実ではあり得ないような夢っぽい世界を描くのがシュルレアリスムでしょ、と私なんかは理解していた。しかし、シュルレアリスムは誤解されているとこの本は言う。
まず、「シュール・レアリスム」ではなく「シュルレアル・イスム」だと。つまり「超・現実主義」ではなく「超現実・主義」であると。その超現実とは何かというと現実を超えた何かではなく、すごーく現実の何か。つまり、シュルレアリスムの人たちが描く世界というのは現実を超えた世界ではなく現実、今/ここの現実と地続きになっているというスタンスなのだ。私たちが送っている日常生活の延長線上にシュルレアルな世界が広がっているということ。
その他、自動書記など私が今まで知らなかったシュルレアリスムに関することが読みやすく書かれていてかなり目から鱗な一冊だった。