2009-01-01から1年間の記事一覧

深夜の無目的会話メモ

何かを背負ってる 孤独感 現代にシンクロ=予言 ほとんど暴力的に思い出す 匂い、空気、湿度 遠くから ぐるぐる回る スピード感

ガラスは味がしなかった

へんな夢を見た。 私は自分じゃない他の人間という設定で、ガラスをぽりぽりと食べていた。 ガラスはおはじきよりもやや薄くカップヌードルの容器の底くらいの大きさの円形でやや青みがかっていて、口に入れると冷たくて滑らかだった。 その滑らかなガラスを…

雨の日のプールに「ガンモ」

久々に「ガンモ」を観たけれど、やっぱりすごくよくて、この良さは何なのだろうと考えてしまう。ラストがすごく泣ける。私が好きな人にはこの映画を好きであって欲しいと思う。 猫が目撃されてから殺されるまでの物語であるというのは今回気付いた。あの可愛…

痕跡についての映画 『悪い女』

海辺で二人の女がすれ違う。その瞬間に片方の女が持っていた何かが砂の上に落ちる。それが何なのかと目を凝らす私たちの前に提示されるのは濡れた砂の上で力なく跳ねる金魚のアップショット。その後、もう片方の女が落ちたビニール袋に鞄の中から出したミネ…

濡れた黒 『カビリアの夜』

ジュリエッタ・マシーナ!よく動く大きな目と全身から生きるエネルギーを発散させているような仕草の数々。子供のようにてらわず奔放で魅力的な女性である。彼女が主演し、彼女の夫でイタリア映画の巨匠、フェデリコ・フェリーニ(関係ないけど「フェデリコ…

反ハリウッド的ハリウッド映画 『ミスト』

私はいわゆる「衝撃のラスト」という言葉で分類されるような映画が好きでよく観る。『ユージュアル・サスペクツ』とか『ゲーム』とかそういう感じのもの。 ほんの数カット、時には1カットで始まりからそれまでの時間積み重ねてきた物語の意味ががらりと変わ…

映画を撮ることの困難 「アメリカの夜」

遅ればせながらずっと気になっていた阿部和重著「アメリカの夜」を読了した。 「アメリカの夜」というフランス語が、絞りやフィルタを調節することで日中に夜のように暗い映像の撮影を可能にする撮影技法だということはこの本の最後のくだりで初めて知った訳…

光の厚み 「ストローブ=ユイレ あなたの微笑みはどこに隠れたの?」

先日アテネフランセで前々から気になっていた映画、ペドロ・コスタの「ストローブ=ユイレ あなたの微笑みはどこに隠れたの?」を観た。ストローブとユイレの微笑みが一体どこに隠れたのかは結局分からずじまいだったが(何でこんなタイトルなんでしょう)、…

自転車の速度

夕暮れ、自転車で町を走る。川沿い、小さな橋、並木道、路地裏、を選んで行く。自転車で進む時速と自分の思考のスピードがリンクしていて気持ちいい。道はわたしに選ばれていく、と何となく思う。いつも何かを選びとるのはわたしで、この目で世界を切りとっ…

芝生と西日

春が近づいてくるのは匂いで分かる。難しいことばかり考えていたもしくは、何も考えていなかった。 私の中で蓄積された春の経験、別れとか出会いとか散歩とかプリーツスカートとか好きな先生とかおかっぱの女の子とか鳥がいる河原とか「もう会えないね」「会…

雪ゆき「椰子・椰子」

子供がいる女の人の一年間の話。モグラが訪ねてきたり子供を折り畳んだりするかなり非現実的な生活でそれを淡々とした語り口で綴ってゆく。川上弘美の中では2番目くらいに好きな小説。 きっと子供とかもほんとはそんざいしてない。まさしく眠っている時に見…

階段のほこりと六花亭のチーズクリーム

実家に帰って家がかつての自分の記憶よりも古く汚くなっていることに切なくなる。当たり前だが、両親も祖父母も年をとる。そのことを確認する作業を実家に帰る度にしなければいけない。 お正月はやはり新鮮で改まった気持ちになるし、澄んだ空気を感じていつ…