夢の続きを「シュルレアリスムとは何か」

シュルレアリスムとは日本では超現実主義と訳される1924年のアンドレ・ブルトンのシュルレアリスム宣言に始まる芸術運動である。 その中でわたしたちがまっ先に思いつく作家といえばサルバドール・ダリだろう。時計がチーズみたいに溶けてる絵を書く、非現実…

映画史に残る愛の告白「気狂いピエロ」

秋だからみんな黒もしくはグレーの服を着ていて何か重い感じ。 君の乳房と太ももは感動的だとフェルディナンは言ったが、浅い眠りの後の夕暮れを少しばかりすぎて薄暗くなった海辺でふいに発せられたその言葉は、愛の告白の場面として間違いなく映画史に残る…

おなかにじんましん

おなかにじんましんができてかゆいのでぼりぼり掻いている。一昨日ぐらいがピークでそれより大分良くなったけれど、今年の風邪はじんましんっぽい皮膚のぶつぶつとセットなのだろうか。友達にも似たような症状があると聞いた。じんましん治りかけの腹は痛々…

キュウリを噛む音がやけにリアルだった「ある朝スウプは」

「ある朝スウプは」は2005年のPFFでグランプリを穫った作品だ。 木漏れ日が女の顔に当たってゆらゆら揺れていた。ラストの、とても長い食事のショットは女の「他人だものね」という独り言で終わる。漬け物を奥歯で噛む音はしかし鳴り止まず、それだけが希望…

私はやっぱりつけまつげを付けた女にはなれないし、ならない「いづみ語録」

例えば私が、と想像してみる。薄暗い部屋のベッドの上で。 例えば私が、あの黒々としたまつげをつけゴールドのべっとりとしたアイシャドウで囲われたうつろな目をした女(それはまぎれもなく女。少女でも女性でも娘でも母でもなく女。)だったらと。 その想…

今日もまた暑かったね

誕生日。それはもちろん特別な日として送られることはなくただ淡々とすぎてゆく。しかし何となく新しい気持ちになる。お正月を20倍くらいに水で薄めたような。やはり私が生まれた日だから。そう認識しているから、うすぼんやりと暗く分厚い雲のために全ての…

ポップカルチャーとしての小説「二〇〇二年のスロウ・ボート」

古川日出男のこの小説は結構好きだ。 村上春樹の「中国行きのスロウ・ボート」の”リミックス”。 小6の彼女の背後にいくつもの映画が重層的に折り重なっているっていう視点とか、語り口にノイズが混じりひっかかる感じとか。 そして、個人的には「あとがき」…

tumblrについての一考察

2007年色々なことを始めた気がするけど、その中で一番重大なものごとの一つはtumblrだった。勝手に顔も知らない人のtumblrをフォローして気に入った画像や文章をリブログしていくあのゆるい行為を通して、大げさに言えば、わたしはインターネットという漠然…

2008って全部丸っぽい数字だから見た目かわいいけどクールじゃない

元旦の朝食兼昼食はおせちとお雑煮、夕食はご飯と魚と筑前煮と我が家では決まっている。おせち料理のきんとんは栗ではなくさつまいもで、お雑煮には凍み豆腐とかが入っていてそれは毎年毎年変わらない。 1月1日に毎年食べる変わらないものは毎年降る雪の匂い…

きちんと

きちんと生活をすること。 正しいものをみること。 時間を大切に使うこと。 一ヶ月は本気でがんばること。 逃げないこと。

Google様

神様は科学や哲学その他人間ではどうしても説明できない世の中のあらゆることのその理由として存在する。世界をすべて漏らすことなく知りたいという人間の欲望を体現する存在が神様なのかもしれない。 今、一番世界を把握しているのは何かと言えば、それはや…

清潔な白い部屋

豊田市美術館で開催されている「gardens」展へ行った。豊田市美術館には初めて行ったのだけれど、常設展の人気投票があって何とソフィ・カルの作品が1位だった。彼女の作品は一生のうちに一度は見ておきたいものの中の一つなので今度展示があればぜひ見に行…